新型コロナウィルス、こんなにも大変なことになるとは思いませんでした。旅行に行ける状況ではありませんが、気分だけでも・・・。
美しい春の景色とあらいぐま一家のおもてなしに、心癒される絵本です。
あらすじ
森の中の大きな木にある、あらいぐま一家が経営する「もりのホテル」。
あらいぐまいっかはきれい好き、おきゃくさまに気持ち良くすごしてもらおうと、いつもホテルはぴかぴか。お母さんは庭の手入れ、お父さんはコック兼食料調達、おじいちゃんは支配人、子どものマロンはおじいちゃんのお手伝いをしています。
今日最初のお客様はへびさん。天井が低くて横に長い部屋で、のびのび過ごしてもらいます。次はくまさん。ホテルの一番大きな部屋でゆったり過ごしてもらいます。次はふくろうさん、小鳥さん、それぞれに合う部屋でくつろいでもらいます。
夕食は、川や森で取れたての食材を使った、お父さん自慢の料理でおもてなし。おきゃくさんの姿そっくりに盛り付けたデザートも人気です。
夜の時間はゆっくりとすぎて行き、ねむくなったらおやすみなさい・・・。
おすすめポイント
緻密に設計された世界観!
ふくざわさんの作品は、森や山の中が舞台になるものが多いのですが、いつも明るく楽しい雰囲気が出ていて素敵です。表紙の裏側には森の全体像が描かれており、動物たちの生活の場がわかるようになっています。また裏表紙にあるホテルの見取り図では、ホテルのどこにどの部屋があるのかが描かれています。ここまで細かく設計されているからこそこの雰囲気が出てくるのだろうなぁと思いました。
この絵本の全体像だけでなく、ホテルの調度品・動物たちの持ち物にも注目です。ホテルは全体的に茶色とグリーンの自然に溶け込む色合いに揃えられ、まさしく「もりのホテル」といった感じです。へびさん(女性)のスーツケースにはリボン、くまさんのスーツケースにははちみつやホットケーキの形をしたキーホルダーがついており、動物たちの個性まで設計されています。
ふくざわゆみこさんはストーリーに関係ないことも絵に描き込んでしまうとのことで、絵をじっくり見て楽しむことができるんですよね。いつも「あ、こんなものまで・・・」という発見があります!
作者について
作者はふくざわゆみこさんです。
ふくざわゆみこさんがこのところ続いていますが、本当にどの本も素敵なんです。ふくざわゆみこさんの絵本はこちらでも紹介しています。ぜひご覧ください!